100円回転寿司は何処へ向かうのか
日本発祥の100円回転寿司は、たゆまない進化を続けて今や日本を代表する食文化と言っても良いだろう。オイラも外出時には頻繁にお世話になったものだ。特にランチタイムなど1,000円そこそこで味噌汁付きで栄養バランスに優れ、なおかつ旨い昼食をスピーディーに済ますことができる非常にありがたい存在だった。
ところが一年ほど前からあの「スシロー」が採ったとんでもない方針以来、寿司屋ではなくなってしまった。とんでもない方針とは、お気づきの方も多くいらっしゃるようだが「サビ抜き」である。一部のメニューを除けば、シャリとネタの間にワサビが入って寿司となる。従来はワサビ入りが標準で、「サビ抜き」はオプションメニューであった。それがメニューでサビ入り・サビ抜きを選択するインターフェースに変化し、最近では当たり前の「ワサビ入り」が注文できなくなってしまった。
「ワサビ入りを注文するな」とは?
ある時、スシローでサビ入りが注文できないと知った時は、ものすごくビックリした。?どうしろっていうんだ??当然のごとく店長に聞いてみた。「本部の方針で、新鮮なワサビを味わって頂くためにこのシステムに変更しました」…。おいおい、オイラはワサビを食べに来たんじゃなくて「寿司」を食べに来てるんだぜ。何を勘違いしてるんだ?
ワサビの仕込んでない寿司なんて食べる気のないオイラは、しょうがないから
1、寿司ネタを一旦剥がし
2、シャリにワサビを箸で塗り
3、ネタを再度乗っけて
食べてみた。…不味い。(写真はくら寿司でのリプレイ)
面倒くさいことこの上ないし不味くて食べられたものじゃないので、次は皿に醤油をたっぷり注ぎ、ワサビもたっぷり投入してから寿司に着けて食べてみた。やはり不味い。これじゃあワサビ醤油をつけた刺身に握り飯を添えて食べているのと変わりがない。結果、3皿だけで店を出た。勿論それ以降スシローには行かないことに決めた。当たり前のことだが、スシローは寿司屋ではなくなってしまったのだから。
その後、何を勘違いしたのか、他の回転寿司チェーンも軒並みサビ抜き骨抜きへと退化していった。写真はくら寿司でのものだが、オイラだけでなく近くで食べていた年配のご婦人も、ものすごく戸惑った様子で写真の手順を強いられていた。あのご婦人も二度と足を運ぶことはないだろう。
おおかた社会知らずの無責任ヒステリーママゴン怪獣の「刺激のあるワサビなんてうちの子に食べろと言うんですかっ!」とかいった訳の分からないクレームに手を焼いての方針転換だとは思うが、子供とためだというのならワサビを塗るのが寿司本来の歴史なのだという真実を教えてやるのが大人社会の責任だろう。
ともかく、寿司を食べに来てる人に対して「ワサビは自分で付けろ」はハラスメントに当たるし、サビ抜きなんてのは寿司ではないのだから寿司屋の看板を降ろしてファミレスにしてしまえば良いのじゃないんでしょうか。オイラはちゃんとサビ入りで握ってくれる寿司屋さんしか行かないし、どうでもいいって感じだけど、あまりにも呆れたので一筆。